中学の頃、母は知り合いの病院の先生たちと飲み会に出かけていました。
塾の帰りにその店の近くに通りかかったので母に電話したところ、家は誰も居ないし帰っても一人なので、「来てもいいよ」と母に言われたのでその店に行くことにしました。
お店に着いて挨拶をすると、K先生に
「雪乃ちゃん、痩せて胸も出て体つきも色っぽくなったね~!」
と言われました。
褒められたのは解っていました。
だけど何だか気持ち悪くて、その場に居たくないと感じました。
母に「一緒に帰ろう」とコッソリ伝えました。
すると母は「バスで帰りな?」と私に言いました。
その時、「この人はまた私を助けてくれない」という絶望と怒りが湧き起こりました。
手に持っていたバッグで母を殴ってしまいました。
するとK先生が
「親を大事にできないお前なんかに医者になる資格はないしなれるわけもない!!!」
と大声で怒鳴りました。
私は店を出て、泣きながら父に電話をし、もう先に家に着いているとの事なので、車で迎えに来てもらいました。
父に泣きながら一部始終を話しました。
父は助けてくれると信じていました。
優しい言葉をかけてくれると思いました。
「そっかぁ。でも先生も酔った勢いでそんな事言っちゃったんだよ」
その何年後かに、母はK先生に久しぶりに会ったそうです。
その時、K先生は「あの時、酔った勢いとはいえ、雪乃ちゃんに酷いことを言ってしまった。まだ僕を恨んでいるかな?」と申し訳なさそうに言っていたそうです。
母は「もう別に気にしていないみたいですよ!」と言ったそうです。
そして私に「別にそんな事もう気にしてないよね?」と念を押しました。
未だにそれを根に持っているのはおかしいのだと思いました。
なので忘れた振りをしました。
私は笑って「あぁ、そんな事もあったね」と言いました。
一度たりとも、あの日の事は忘れたことはありませんでした。
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